公正証書遺言を作成する際、必ず2人以上の証人の立ち合いが必要だと決められています。

 この証人とは「遺言者本人に間違いがないこと」、「遺言者が自分の意思に基づいて遺言するのを確認すること」、「公正役場で公に作成したことを確認すること」が主な役割となります。

 また証人は、公正証書遺言の原本に署名、捺印するため、将来、遺言の有効性が争われるようになった場合にも裁判でも証人となりえる大変重要な立場です。

 基本的に証人は誰でもなることが出来ます。自分の友人知人などでも特に問題はありません。

 しかし、「未成年者」、「推定相続人、その配偶者、その直系の血族」「遺言により財産を相続する人、その配偶者、その直系の血族」「公証人の配偶者、4親等内の親族、書記や使用人」「遺言書の内容を読めない、確認出来ない人」などは証人になることは出来ません。証人になる資格のない人、すなわち、「欠格者」が公正証書遺言の作成に立ち会った場合、その遺言は無効となりますので注意してください。

 つまり、遺言者の多くの身内は相続によって利害関係が生じる可能性があるため、証人とすることが出来ないということです。友人や知人にも頼みやすい事柄ですので、証人を誰にするかお悩みの方は多いです。

 しかし、身内に頼めないとなると証人探しが困難になる方や、証人となった第三者から他人に遺言の内容が漏れてしまうのではないかと不安になる方、知人など遺言書に関係のない人に証人をお願いするのは気が引けるという方もいらっしゃるかもしれません。
 
 そのような場合には、公証役場に相談するという方法があります。公証役場で依頼をすると証人を手配してくれますので、もしも証人が見つからない場合にも遺言書を作成することが出来ます。公証役場に依頼した場合は、証人一人当たりに約6000~7000円と公証人手数料を合わせた料金がかかります。他にも法律事務所の事務員や街の司法書士、行政書士に頼むといった方法もよく採られています。

 ただ、士業事務所でも依頼をすると余計にお金がかかってしまうことがありますので、注意が必要です。士業事務所に依頼した場合は証人一人当たりに約10000円~20000円程の料金がかかることがあります。遺言書作成に力を入れており、証人は無料で行ってくれる法律事務所もありますので、一度探してみるのも良いのではないでしょうか。